コロナ禍を経験して 健康、つながりと幸せの関係性【ととのえ学】

今回の記事について

7月25日(月)に下記のYahoo!ニュースをみて、つながりの重要性や心身の健康と幸せについて今回の記事では紹介したいと思います。
孤独感が今最も強いのは20代だった、居場所を失った若者たちの深刻な実態(ダイヤモンド・オンライン) – Yahoo!ニュース
私たちは、コロナ禍を経験して、改めてつながりの重要性や心身の健康の大切さを再認識したと思います。
上記の記事の中では、約3000人を対象とした「コロナ禍での人々の孤独に関する調査」で、全体の約37%が孤独感を抱えており、年代別では、20~29歳の世代が一番孤独感が高く、その値は約43%であることが明らかになったと記載されておりました。
以前から孤独に起因する中高年の自殺は深刻な問題となっていますが、孤独は年齢や性別に関係なく誰にでも起こりえる事、コロナ禍での若者の孤独の深刻化の背景は、家庭以外に逃げ場がないという問題もあり、若者には家庭以外にも複数の居場所が必要、などという事が記事の中で紹介されていました。
今回の記事では、精神科医で執筆活動なども積極的に行われている樺沢紫苑先生の著書内容も引用しながら、つながりや健康を持って幸せに暮らしていくにはどうしたらいいのか、そもそもつながりや健康を感じた時に脳内でどのような変化が起きているのかという事について書いていきたいと思います。
当初予定していました、デジタルデバイスのリスクについての記事は次回ご紹介したいと思います。

幸せに暮らしていく為の基本ステップ

まだ禍中ではありますがコロナ禍を経験して、コロナ感染自体は心配、リモートワークもしたいが、会社からは許可されておらず、お金を安定して稼ぐためには今の勤め先を続けて行かないといけない、一方で、人と会って話をしたり触れ合ったりしてつながりも感じたい、一体全体私はどうすればよいのだろうか。。。と思われた方も多かったのではないでしょうか。
そのことに対して、考え方や重視する事は人それぞれなので、唯一絶対の解というものはありませんが、『幸せ』という観点から考えた時には重要なステップが存在します。
『幸せ』に関するステップの説明をする前に、前提として、2020年の日本の『経済』に関するGDPランキングは世界第3位ですが、『幸せ』に関する世界幸福度ランキングは153か国中62位で、主要先進国の中では最下位となっており、私たち日本人は、一生懸命、真面目に仕事をして経済的には成功していますが、幸せについては上手く取り組みが出来ていないのです。
これは、仕事以上に大切なものをないがしろにして働いた結果、不幸を招いているとも言えます。
それでは、どのようにすればよいのか。ここで、そもそも幸せとは何なのか、体内でどのような変化が起きているのかという事を考えてみたいと思います。
樺沢紫苑先生著書の「精神科医が見つけた 3つの幸福」の中で、精神医学、脳科学の知見から、『幸せ』と感じる時の脳内での変化、脳内物質の分泌について紹介されています。
『幸せ』を感じる時に分泌される脳内物質は現在分かっているものでも、100種類以上物質が存在しています。その中でも、主要な物質は3つ、『ドーパミン』、『セロトニン』、『オキシトシン』になります。
そして、この3つ『ドーパミン』、『セロトニン』、『オキシトシン』の脳内物質が十分に分泌されている状態で、私たちは『幸せ』を感じるのです。
3つの脳内物質について、お聞きになった事がある方もいるかもしれませんが、3つの役割は異なっており、主に下記のような関連があります。
・ドーパミン的幸福:成功・お金
・セロトニン的幸福:心と体の健康
・オキシトシン的幸福:つながり・愛
ここで重要なのが、どれかひとつの脳内物質が過剰に分泌されていればよいという事ではないという事と、優先順位があるという事です。
これはどういうことかというと、例えば、4人家族のお父さんが居て、そのお父さんは、毎日残業続きで、休日出勤も厭わずに仕事に邁進して、その結果、若くして課長まで出世し、念願のマイホームも購入し、地位と金銭的には成功したとしましょう、一方で、慢性的な運動不足で、40代で糖尿病を発症、また、夫婦と子どもとの一緒にいる時間はほとんど作れずに、念願のマイホームでの居場所は無かった。こんな状態は「幸せ」とは言えないでしょう。これは、ドーパミン的幸福は手に入ったが、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福は無かったという状態です。
さらに、例えば、3人家族のお母さんが居て、そのお母さんの旦那さんは一流企業に勤めていて、家も車も所有していて、家事も育児も手伝ってくれる、さらに、子どもはすくすくと育ってくれて、希望だった私立中学に入学してくれて、理想の家族と一緒に最高に幸せな生活をしていたとしましょう。一方で、お母さんは、運動は嫌いで、ジャンクフードは大好きで、40代で肥満、高脂血症の基礎疾患があり、ある日、脳梗塞を発症して、半身不随になってしまった。
この状態も、オキシトシン的幸福、ドーパミン的幸福は手に入ったが、セロトニン的幸福が手に入っていない、「幸せ」とは言えない状態だと思います。
このように、ドーパミン的幸福である成功やお金だけがあっても幸せになれないですし、全ての基礎となる、心と体の健康に関するセロトニン的幸福が無いと、つながり・愛に関するオキシトシン的幸福や成功・お金に関するドーパミン的幸福が活かされることは無いのです。
すなわち、セロトニン的幸福⇒オキシトシン的幸福⇒ドーパミン的幸福の順番は不可逆で、着実に積み上げて行くというのが、幸せに暮らしていく為の基本ステップとなります。

終わりに

コロナ禍で今だ不自由な暮らしを強いられていますが、その中で見えてきたこともあると感じています。
私は、1984年生まれで現在38歳です。私自身の人生を振り返ってみると、2008年に起きたリーマン・ショックでどうもお金や会社だけを信じても幸せになれなそうだな、2011年に起きた東日本大震災でやっぱり人と人のつながりは大切だよな、そして、2019年から現在も続いているコロナ禍で心身の健康があっての人生だよなと考えるようになってきました。
自分自身の人生経験、皆さんとのつながりを大切にしながら、本サイトでの情報発信含めて、soluteでの活動で、幸せな社会、豊かな社会に少しでも貢献していければなと思っています。

参考文献、参考サイト

・樺沢紫苑 精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法,飛鳥新社, 2021年3月
・Yahoo ニュース 孤独感が今最も強いのは20代だった、居場所を失った若者たちの深刻な実態(ダイヤモンド・オンライン) – Yahoo!ニュース

文 / Tommy H