誰しも、日常生活の中で怒りを経験することは少なくありません。しかし、怒りの感情をコントロールできずに暴言や暴力に走ってしまうと、周囲の人を傷つけたり、自分自身の心身に悪影響を及ぼしたりすることもあります。
そこで今回は、精神科医も推奨する怒りのコントロール方法について、そのメカニズムと具体的な方法を紹介していきます。
怒りのメカニズム
怒りは、ストレス、価値観の違い、欲求不満など、様々な要因によって引き起こされます。脳内では、これらのストレスを受けると、ノルアドレナリンやアドレナリンといったホルモンが分泌されます。これらのホルモンは、心拍数や血圧を上昇させ、筋肉を緊張させるなど、身体を戦闘態勢に備えます。
この状態が続くと、冷静な判断ができなくなり、周囲の人や状況に対して攻撃的な態度を取ってしまうようになるのです。
6秒ルールと40秒ルール
怒りを感じた時に有効なのが、「6秒ルール」と「40秒ルール」です。
- 6秒ルール: 怒りの原因であるアドレナリンの分泌がピークになるのが、怒りを発してから6秒後と言われています。まずは最初の6秒間をやり過ごせれば、徐々に冷静を取り戻せるというのが、6秒ルールです。
- 40秒ルール: 6秒で怒りのピークは過ぎ去りますが、アドレナリンが半分程度になるまでには40秒程度だと言われています。この間をやり過ごせれば通常の状態に戻ってきます。
6秒間待つことで、脳内の興奮状態を少し落ち着かせ、冷静さを取り戻すことができます。40秒経てば、怒りの感情が自然に収まっていくため、その間に問題解決策を考えることができます。
具体的な方法
6秒ルールと40秒ルール以外にも、怒りをコントロールする方法はたくさんあります。以下に、いくつか例を挙げます。
- 深呼吸: ゆっくりと深呼吸することで、心拍数や血圧を下げ、リラックスすることができます。
- 気分転換: 好きな音楽を聴いたり、運動したりして、気分転換をする。
- アサーティブコミュニケーション: 自分の気持ちを「Iメッセージ」で伝え、相手を尊重した態度で接する。
- タイムアウト: どうしても怒りが収まらない場合は、その場から離れて時間を置く。
- 専門家の助け: 怒りをコントロールできない場合は、精神科医などの専門家に相談する。
まとめ
怒りは、誰にでも起こる自然な感情です。しかし、怒りの感情に流されてしまうと、周囲の人を傷つけたり、自分自身を苦しめたりする可能性があります。
今回紹介した方法を参考に、自分に合った方法を見つけて、怒りを上手にコントロールしましょう。
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