原始仏教における瞑想【瞑想について学シリーズ5】

みなさんこんにちは。心と体をととのえるための情報発信を行っているsoluteです。今回は原始仏教における瞑想の位置付けをご説明します。なかなか分かりづらい仏教や瞑想ですが、歴史を紐解いてみると見えてくる部分があります。2500年以上前に誕生した原始仏教は、釈迦が悟りを得た教えに基づいています。苦しみから解放されるための道筋を示したこの教えは、現代においてもなお多くの人々に指針を与え続けています。その原始仏教において、瞑想は重要な役割を果たします。心を落ち着かせ、集中力を高め、苦しみの本質を見抜くための手段として、古来より実践されてきました。本記事では、原始仏教の歴史、瞑想の位置づけ、具体的な実践方法などを紹介することで、原始仏教における瞑想について解説をしていきたいと思います。

原始仏教の歴史

釈迦は紀元前5世紀頃の古代インドに生まれ、苦しみの原因を探求し、解脱への道を説きました。彼の教えは、やがて原始仏教と呼ばれるようになりました。原始仏教は、その後、大乗仏教や密教などの様々な仏教へと発展していく基盤となりました。原始仏教は宗教というよりも哲学に近く、言葉は難しいですが、内容自体はロジカルで、現代人にも理解しやすいものとなってるんです。

原始仏教とは

原始仏教は、以下の概念を中心に構成されています。

  • 中道: 快楽、苦行どちらも悟りには必要がないものであり、二つの極端な状態には近づいてはならないということ
  • 四諦: 原始仏教における4つの基本的な真理のこと。下記がその4つになります。この4つが導入となり、八正道に繋がっていきます。
    苦諦:この世の中は一切が苦である
    集諦:苦を引き起こす原因は執着や煩悩である
    滅諦:苦の原因を死滅すれば悟りに至る
    道諦:悟りを開くための正しい方法論
  • 八正道:四諦の道諦において悟りを開くためのの具体的な方法論を示したのが、八正道です。 つまり、八正道は悟りに至るためのノウハウなんですね。下記がその8つになります。
    正見:正しいものの見方
    正思:正しい思考
    正語:正しい言葉
    正業:正しい行い
    正命:正しい生活
    正精進:正しい努力
    正念:正しい気づき
    正定:正しい心の安定

これらのプロセスを順を追って取り組むことにより、苦しみから解放されると解いたのが原始仏教なのです。

原始仏教での瞑想

次に原始仏教での瞑想の位置付けを説明します。原始仏教での瞑想は「正念」と「正定」の二つを中心に実践されます。

  • 正念: 常に自分の心と身体の状態に注意を向けること
  • 正定: 心を集中させ、一つの対象に留めること

正念と正定を組み合わせることで、心の乱れを鎮め、集中力を高め、苦しみの本質を見抜くことができます。定とは禅の語源となった言葉でもあり、次回以降に禅と原始仏教の関係性についての記事も書いていきたいと思います。

まとめ

原始仏教における瞑想は、単なる精神的なリラックス法ではなく、苦しみから解放されるための重要なプロセスです。正念と正定を正しく実践することで、心のコントロール、集中力の向上、そして苦しみからの解放を実現することができます。現代社会においても、ストレスや心の問題を抱える人が増えています。原始仏教の瞑想は、こうした現代人の悩みにも有効な手段となるでしょう。

最後まで読んで頂きありがとうございます。
みなさんがととのった毎日を過ごせますように。

solute

参考文献

  • 中村元著『原始仏教の思想』